陽子ビーム応用とは

陽子ビームを多様な分野に応用する施設計画

 

核変換実験施設を発展させ次のステップへ

  J-PARCの陽子ビームは、素粒子・原子核物理や物質・生命科学等の学術研究に使われています。応用として、原子力、医薬品、宇宙や半導体の開発など、私たちの生活に直接役立つ分野にも貢献することができます。
 これまで検討してきた「核変換実験施設」の設計をベースに、陽子ビームを多様な分野に応用する新たな「陽子ビーム照射施設」の検討を進めています。

 

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陽子ビーム照射施設の概要

① 原子力(材料照射)

  加速器駆動核変換システム(ADS)やJ-PARC のような加速器施設では、陽子や中性子が構造材料に当たると放射線損傷で材料の強度が低下します。本施設では、陽子や中性子の照射試験で材料強度の変化を評価し、これら原子力関連施設の安定運転に貢献します。

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加速器駆動核変換システム (ADS)

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核変換による放射性物質無害化の一例

② 医薬品

  原子力機構は、原子力委員会のアクションプランに基づき、試験研究炉で医療用放射性同位体(99Mo、225Ac)の製造に向けた取組みを進めています。J-PARCでも同じ放射性同位体を製造できるため、試験研究炉との連携により、年間を通じて安定した医薬品供給体制を構築できます。

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陽子ビームによる医療用放射性同位体製造の模式図

③ 半導体

  宇宙から飛来する中性子が、身の回りの半導体機器を誤作動させることがあります。そこで、宇宙線と同じような中性子を半導体に当て、故障の頻度を調べます。その結果をもとに、より中性子に強い半導体の開発につなげます。

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④ 宇宙

  宇宙空間では、銀河宇宙線や太陽フレア由来の陽子などが、宇宙機に搭載した半導体機器の故障の原因になります。そこで、半導体機器に陽子を当てて故障の頻度を調べたり、宇宙線耐性の高い半導体機器開発のヒントを得ることにより、宇宙開発に貢献します。