
さて、交換作業も無事に終わって、いよいよ新しいターゲットを使って試験をしてみたところ・・・、何と、地震の前よりも良い結果が得られたのです! これには、みんなとても喜びました。苦労してターゲットを交換して、本当に良かったと思いました。
みなさん、こんにちは。水との戦い、パート2です。前回はトンネル内に溜まった地下水の排水についてお伝えしました。今回は、その後の復旧作業についてです。
また、トンネルもそのままでは水漏れは止まりません。天井から落ちてくる地下水が機器にかかってしまうものもあります。少しでも早く、漏れてくる水を止めなくてはなりません。
最初に、ひび割れに沿ってドリルで小さな穴を開けます。その穴からウレタン樹脂を注入します。注入されたウレタンは膨張するので、それによってひび割れのすき間が埋められて、水漏れが止まるのです。
また床ばかりでなく、地下トンネルの天井からも水漏れがあります。天井のコンクリートにドリルで穴を開け、そこにウレタンを注入する作業は、とてもたいへんな作業でしたが一生懸命おこない、トンネルの水漏れはほとんど止まりました。

そのため固まった後に、髪の毛よりもさらに細いすき間やひび割れができてしまうことがあります。この位のひび割れはコンクリートの強さや構造には全く影響がないのですが、地下水はしみ込んで来てしまう場合があります。
でも地震の影響で、J-PARCは1週間以上停電の状態が続きました。停電の間は電気で動く排水ポンプは動かせません。水は少しずつ溜まっていき、10㎝くらいの深さになってしまいました。
しかし地震の影響で一部の道路は通行できず、またガソリンも不足していたので車が動かせず、硫酸を買ったり集めたりすることができませんでした。困っていた時「私たちが持っている硫酸を使って下さい」と、茨城大学や筑波大学、あるいは他の研究機関の皆さんが助けてくれたのです。
X線も放射線ですからしっかりと遮蔽しますが、遮蔽するためには鉄や鉛などの重い物質がとても効果的なのです。J-PARCも運転中に発生する放射線を遮蔽するために、鉄やコンクリートなどの重い物質をブロックとして積み重ねて使っています。
今回の地震で、この鉄やコンクリートのブロックが少しずれてしまいました。そのずれを直すため積み木のように積み直しをすることが必要でした。しかしその数や量はものすごいものです。