■ J-PARC News 第147号より       (2017/07) 
●J-PARCセンターとスウェーデンの実験施設が覚書を結びました (7月9日、スウェーデン) 
  詳細は、J-PARCホームページをご覧ください。
  http://j-parc.jp/ja/topics/2017/topics170711.html
  
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●200年にわたる謎に終止符、ガラスの基本単位の構造を決定 (7月27日、プレス発表) - オルトケイ酸を用いた高機能・高性能ケイ素材料の創出に期待 -
  産業技術総合研究所の五十嵐正安氏らは、J-PARCセンター中性子利用セクション大原高志氏、総合科学研究機構中性子科学センター (CROSS東海) 中尾朗子氏らと共同で、有機化学的手法を応用して、無機ケイ素材料でありガラスの基本単位であるオルトケイ酸の分子構造の解明に成功しました。これまで作成されてきたオルトケイ酸の結晶は非常に不安定だったため、その分子構造は200年もの間不明でしたが、本方法による結晶作製に成功後、X線結晶構造解析とJ-PARC物質・生命科学実験施設の中性子実験装置を用いた中性子結晶構造解析を行った結果、ついに明らかにされたものです。オルトケイ酸はガラスに代表される無機ケイ素材料の基本単位構造である上、有機ケイ素材料の基本単位構造でもあるため、高機能・高性能ケイ素材料製造への貢献が期待されます。
※特殊環境微小単結晶構造解析装置「千手」 (BL18) 

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●平成29年度J-PARC MLF産業利用報告会 (7月20-21日、東京秋葉原コンベンションホール) 
  本年度のMLF産業利用成果報告会が、J-PARCセンター、茨城県、総合科学研究機構 (CROSS) 、中性子産業利用推進協議会の共催で開催され、民間企業、大学、研究機関などから多数の参加がありました。初日の「成果報告」セッションでは、特別講演1件、産業利用の現状など8件の報告がありました。冒頭のMLFの現状報告では、金谷利治物質・生命科学ディビジョン長が、90%以上という高い年間施設稼働率の達成や、今後の安定運転継続と1MWへの出力上昇について、また、2016年にプレス発表した12件の研究結果を紹介しました。さらに、成果の創出増加を目指した取り組み、産業利用推進に向けた新たな改革などについて話しました。2日目の「イノベーションの共創」セッションでは、招待講演3件、産業利用報告と施設報告の8件が行われ、MLFと産業界がそれぞれ求める"成果"のすり合わせと、MLFの十分なパフォーマンスの発揮にむけた議論が活発に行われました。詳細は、中性子産業利用推進協議会のホームページをご覧ください。http://www.j-neutron.com/

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●第3回J-PARC請負業者等安全衛生連絡会を開催 (7月7日、いばらき量子ビーム研究センター) 
  J-PARCの施設運転管理業務、施設や装置のメンテナンス作業などは、多数の請負業者の方々によって行われています。これら業者の方々と職員との安全意識の共有、安全確保の徹底を図る目的で、J-PARCセンターは毎年安全衛生連絡会を開催しており、7月7日に開催された今年の連絡会には、66社70名の参加がありました。連絡会では、まず別所光太郎安全副ディビジョン長と石井哲朗安全担当副センター長より、J-PARC外の事例も含めた近年の事故・トラブル・ヒヤリハット事例や、J-PARCにおける安全の基本方針、良い取組みを共有し褒め合う活動を推進していることが紹介されました。また、業者側からのメンテナンス作業時の室温環境の改善や防護具に関わる要望に対し、MLFと加速器施設の担当者から改善案が提案されました。

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●J-PARCセンターがジオ・スペース・アドベンチャー (GSA) 2017に出展 (7月15-16日、岐阜県飛騨市神岡町) 
  J-PARCで進むT2K実験は、東海村にあるJ-PARCの加速器で人工的に作ったニュートリノを、岐阜県飛騨市神岡町にある東京大学宇宙線研究所のスーパーカミオカンデ (SK) に送り出し、飛行中の変化を観測しています。毎年夏、SKのある神岡町では、地下1,000mの神岡鉱山内のSK実験エリアなどの見学がメインの探検イベント「GSA (ジオ・スペース・アドベンチャー) 」が開催されており、J-PARCセンターも今年初めてこのイベントに出展しました。イベントでは、広報セクションのスタッフが、J-PARCの概要と人工的なニュートリノの発生について紹介し、さらに、加速器の原理について学習する磁石をテーマとした科学実験を行いました。8月には飛騨市がJ-PARCの施設公開を訪れるツアーを企画し、飛騨市の方々がJ-PARCを見学する予定です。

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●第6回J-PARCハローサイエンス「ナミナミならぬ波のパワー〜水の波から素粒子へ宇宙へ〜」開催 (6月30日、東海村産業・情報プラザ「アイヴィル」) 
 
  J-PARCと地域の方々との交流が目的のサイエンスカフェ、「J-PARCハローサイエンス」は、第6回を迎え、今回はテーマに"波"を取り上げて、東海村産業・情報プラザの「アイヴィル」で開催されました。生活に身近な音波や電波、海の波から、ニュートリノ振動、宇宙をかけめぐる重力波まで、波にまつわる科学的なテーマを、広報セクションの坂元眞一氏が実験やクイズを交えて話しました。中でも、ニュートリノ振動については、参加者は、2つの音叉による音 (波) が大きくなったり小さくなったりする"うねり"を耳で聞いたり、電気信号にかえた振動をオシロスコープで視覚的に見ることで、その"波"を体感しました。次回のJ-PARCハローサイエンス・サイエンスカフェは、7月28日に「超伝導のおはなし〜巨大科学実験を支える先端技術〜」というテーマで行われます。

  ※ ニュートリノには、電子型、ミュー型、タウ型の3種類があり、それぞれに周波数が僅かに違う2つの波の成分を持っています。それらの波は、時間とともにある時は強め合い、あるときは打ち消し合います。その強弱により、3種類のニュートリノが出現する現象をニュートリノ振動と言います。

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●東海村立白方小でJ-PARCハローサイエンス・科学実験教室開催 (7月6日、東海村) 
 
  J-PARCセンターは、東海村内の小学校を対象にしたJ-PARCハローサイエンス・科学実験教室を随時開催しています。今月は広報セクションの宇津巻竜也氏らが東海村立白方小学校の理科クラブを訪問して、「光」をテーマに授業と実験・工作を行いました。光の三原色を学ぶ実験で、児童たちは、赤、青、緑に光る3色の色水を混ぜると白色になる様子に、驚きの歓声を上げていました。また、分光シートの上に自分で書いた絵柄をピンでなぞって穴を開ける光の万華鏡の工作では、光を分解し、自然光と蛍光灯の見え方の違いを観察して光についての理解を深めていました。

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●ご視察者など
     7月 12日  Kim Young-Keeシカゴ大学教授 (元フェルミラボ副所長) 
     7月 13日  徳永保 筑波大学大学執行役員、三明康郎 筑波大学教授 (前副学長) 他 2名
   
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